相対的無輸血

宗教上の理由による輸血拒否に対する当院の対応について

2014年10月27日

当院では、患者様との信頼関係を第一に考えて、十分な説明と同意の上で医療行為を行なっており、出血の可能性のある治療では、平素より極力輸血せずに済むように心がけております。しかし、治療の経過によりましては、患者様の全身状態の維持・改善のため、必要最低限の輸血が必要と判断される場合があります。また、出血性ショックなど、「生命の危機」の状態で救急搬送を要請される患者様に直面する事もあります。患者様のなかには、宗教的信条で、一切の輸血を拒否される方々がいらっしゃいます(「絶対的無輸血治療」※1のご希望)。こうした場合でも、私たちは、医師の倫理に基づき輸血を実施する立場をとっております。私たちは、以下の基本方針に則り、輸血を拒否される患者様について対応させていただきますので、何卒ご理解ご協力のほどお願い申し上げます。

【基本方針】

  • 当院では、いかなる場合においても「相対的無輸血治療」※2の立場をとります。
  • 「絶対的無輸血治療」※1に関連した免責証明書等をお持ちいただいた場合においても、当院は「相対的無輸血治療」※2の方針をとらせていただきます。
  • 相対的無輸血治療に同意いただけるように努めますが、最終的に同意が得られない場合は、他院での治療をお勧めします。
  • 出血性ショック等による瀕死の病態で、輸血以外に救命の手段がないと判断される緊急の場合は、輸血同意書が得られない場合でも救命のための輸血療法を実施いたします。

※1【絶対的無輸血】

患者様の意思を尊重し、たとえいかなる事態になっても輸血をしないという立場・考え方。

※2【相対的無輸血】

患者様の意思を尊重して可能な限り無輸血治療に努力するが、「輸血以外に救命手段がない」事態に至った時には輸血を行うという立場・考え方。

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