自家培養軟骨を用いた膝軟骨修復術

9月1日より自家培養軟骨細胞移植術を当院で開始致します

 自家培養軟骨「ジャック」は再生医療製品の実用化に拍車がかかる最先端医療です。

 軟骨組織はケガなどで一度損傷を受けると自然には治らない組織です。骨折は治るのに、なぜ軟骨は治らないのでしょうか?実は軟骨組織には血管がないのです。血液の中には、傷を治すのに必要な様々な細胞が含まれているうえ、細胞を増やすための栄養(成長因子あるいは増殖因子と呼ばれます)も含まれているのです。これらの成分が傷を治す働きをしています。しかし、軟骨組織にはもともと血管がありません。したがって、軟骨組織が損傷を受けても、それを治すための細胞も、細胞を増やすための栄養も供給されないので、軟骨は自然治癒しないのです。

 このように、自然に治ることが難しい軟骨組織ですが、軟骨細胞には増殖する能力があります。そこで、患者さまの軟骨組織の一部を取り出し、軟骨細胞が増殖できるような環境を整えて作られたのが自家培養軟骨です。そして、軟骨欠損に自家培養軟骨を移植することで修復が期待されます。

軟骨は膝や肘などの関節の骨の表面を薄く覆っていて、関節の動きを滑らかにする役割を担っています。関節の軟骨は、硬くて弾力性があり、なおかつ滑らかな軟骨(硝子軟骨といいます)でできており、その滑らかさはアイススケートで氷上を滑る際の10倍ともいわれています。そのため、軟骨の耐久性はきわめて高く、関節を動かしても軟骨組織が磨り減ることはほとんどないのです。しかし、ケガや変形性関節症で軟骨が失われると、しばしば歩行も困難なほどの痛みを生じます。

整形外科の専門医によって、侵襲の少ない関節鏡手術で膝の軟骨が少量採取されます。この軟骨を、ゲル状のアテロコラーゲンと混合して立体的な形に成型した後、培養します。約4週間の培養期間中に軟骨細胞は増殖し、軟骨基質を産生して本来の軟骨の性質に近づいてゆきます。この方法は三次元培養法と呼ばれ、軟骨細胞が本来持っている性質を維持したまま培養できる、とても優れた方法です。

ジャックの適応対象は、事故などを原因とする膝関節の外傷性軟骨欠損症などで、人工関節に置き換えるほど重い症状ではないが歩行に支障がある人。30〜50代の働き盛りで、再びスポーツなどをやりたいという患者を特に想定しております。またジャックでの治療が可能な医師基準、施設基準を満たす病院は国内に150~200カ所。北海道でこの治療を受けることができるのは、帯広協会病院、北海道大学病院、旭川医大病院の3施設のみです。

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